新四年生・大学院を受験される方へ (2019年度版)

石坂研究室では光と電子を使った先端計測をもとに、これまでにない物質の性質(物性)や機能の探究を目指し、研究を行っています。
主力として用いるのは「光電子分光」と呼ばれる手法です。光電効果により放出される電子を直接分析することにより、物質中の電子のエネルギー、運動量、スピン、波動関数などの情報を直接得ることができます。これらの情報があれば、物質の電磁気的性質すなわち電子物性をほぼ知ることができる、というのが固体物理学の基礎が教えるところです(が、実際はそう上手くは行かない物質が多いのもまた魅力です)。2010年の発足時はゼロからのスタートでしたが、今では工学部6号館の実験室に作った光電子分光装置+レーザー光源や表面準備装置をコンスタントに使って、どんどん実験しています。最近特に力を入れているのは下記のような物質群です。

・空間反転対称性の破れた半導体・金属・超伝導体・磁性体
  スピン軌道相互作用による実効磁場、スピンが固定された電子状態の解明

・トポロジカルな性質を持つ絶縁体・金属・超伝導体・磁性体
  トポロジカル表面状態、超伝導状態の解明、電子構造の理解と新物質探索

・原子層レベルの低次元分子線エピタキシー薄膜
  固体形態では得られない新物質の開発と2次元物性機能の探索

この他にも学内外のコラボレーションをもとに非周期物質、熱電材料、イオン伝導体や金属錯体など、色々な物質群の電子構造/機能に興味を持って研究を行っています。

最近ではさらにフェムト秒レーザーと電子回折を組み合わせた時間分解測定系を立ち上げ、光パルスにより生じる物質中の超高速(10-12秒レベル)な原子変位やフォノン発生の様子を観測できるようになりました。また密接に連携している理化学研究所では、同様の原理に基づく超高速電子顕微鏡の開発を進めており、ピコ秒×ナノメートルの時空間動画を撮影することが可能になってきています。このように世界的に見ても新しい計測手法を用いて、以下のようなテーマに取り組んでいます。

・光による音響フォノン発生の新展開
  電荷密度波系、構造相転移系、イオン伝導体など

・物質中の電子格子相互作用
  非平衡状態における電子系と格子系の過渡応答

・超高速電顕によるナノスケール磁気テクスチャーの観察
  スキルミオンの変形・分裂、磁壁の移動など

上記のような研究内容や実験に興味がある、装置/光源の開発もやってみたい、という方とぜひ一緒に研究していきたいと思っています。見学、相談などいつでも歓迎いたしますので、お気軽にご連絡ください。

石坂
Copyright © Ishizaka Group, Department of Applied Physics and Quantum-Phase Electronics Center, The University of Tokyo. All rights reserved.